1990年頃、アメリカからセクハラ概念が輸入され、当時日本でも大きく取り上げられました。1997年男女雇用機会均等法が改正されセクハラについて職場環境配慮義務が規定されました。さらに改正法や指針を改正し、現在では雇用管理上の措置として、企業に防止を義務付けられています。
(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。
セクシャルハラスメントには「対価型セクシュアルハラスメント」と「環境型セクシュアルハラスメント」があり、指針の中で次のように定義しています。
「対価型セクシュアルハラスメント」とは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応により、当該労働者が解雇、降格、減給等の不利益を受けること
○事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針
「環境型セクシュアルハラスメント」とは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること
指針ではさらに企業が講ずべき措置として、次の事項を挙げています。
- 就業規則等においてハラスメント規程を整備し、周知する
- 相談窓口を設置し、周知する
- 相談窓口の担当者に対し適切な教育の実施する
- 実際にセクシュアルハラスメントが起こった場合の体制を整える
- 事実確認者の人選
- 事案について審議する委員会のメンバー選定
- 審議プロセスの検討
- 被害者への配慮
- 加害者への対応
- 事実だった場合の懲戒処分
- 再発防止に向けた措置を講ずること
職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント起きた場合はハラスメントの原因や背景となる要因を解消す るための措置として適切に業務分担の見直しを行うこととしています。
2020/02/25
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